【山あげ祭り】
山あげ祭りとは、国の重要無形民俗文化財であり、日本一の野外歌舞伎、那須烏山市の『山あげ祭り』は、450周年を迎えた八雲神社の例大祭(夏祭り)の祭礼のひとつ、奉納余興です。

その舞台は、若衆と呼ばれる当番町の人々の手によって中心街の路上にまるで異空間のように出現します。道路の幅いっぱいに幅は8メートル、奥行きは100メートル、竹と紙で作られた舞台の背景となる『山』は高さ20メートルにも及ぶ壮大な野外演舞場が期間中、数十回も場所を移動しながら巡回興行を行うのです。地元、山あげ祭り保存会芸能育成部の部員達が端正に歌舞伎を演じる姿、地方(地方)と呼ばれる三味線や笛の音、唄の響き、そして一糸乱れぬ若衆たちが繰り出す、創意工夫を凝らしたからくり仕掛け。その高い芸術性とエネルギーに圧倒されることでしょう。

奉納歌舞伎の他にもたくさんの祭礼や余興がありますが、この大舞台を支える黒子である若衆の働きぶりはまた格別に素晴らしいものです。『木頭(きがしら)』と呼ばれる若衆の長が鳴らす拍子木と笛の音に総勢200余名もの若衆が力を合わせ、その統率された力強い動きで舞台を支えています。

全ての山は人が運べるサイズの『はりか』を竹と縄を組んで組み立てられ、終演と共に解体、次の公演場所へ移動され、そして、また組み立てていきます。出来上がった十数メートルにもなる山を力を合わせて押し上げ、見事に上がりきると観客から万雷の拍手が沸き上がります。舞台だけではなく、移動も見もの。大きな舞台の基礎となる動力も方向転換器もブレーキもついていない『地車(じんぐるま)』と呼ばれる荷車を素早く的確に移動させていく様子は感嘆の声が上がる程。全てが人の手によってかたち作られていくこの舞台は、まさに伝統と心意気で出来ています。

祭礼を取り仕切るのは当番町。元田町、金井町、仲町、泉町、鍛治町、日野町の6町が一年交代制で担います。山あげはもともと疫病消除、五穀豊穣、厄除けを願い、氏子の地域各所で土を小さな山に作ってそこに神様をお迎えしていたもの。それが、だんだんと高くなり、さらに高い高い張り子の山を作り、神様をお迎えするようになったのだそうです。

背景に描かれた山水に必ず滝が描かれるのは八雲神社の神さまが水の神さまであり、はりか山にお迎えした神さまの恵みが水しぶきとなって地域の人々にあまねく行き渡るようにとの願いが込められているのだそうです。当番町が自分たちの町内だけでなく必ず各町を訪問して山を上げるのも神さまの恵みをみなで分かち合うため。そして、祭りで使用した山などを焼いた灰を肥料に使えば豊作になると言われています。

また、この山あげ祭りで披露される奉納歌舞伎の舞台装置は、毎年のそれぞれの当番町が趣向を凝らしたオリジナルであり、その年の舞台を二度と見ることは出来ません。同じ町が当番町となるのは7年後。それとて同じものを作るのではなく、新たな意匠、細工を作り上げます。この代々続いてきた山あげ祭りにかける地域の人々の熱意と努力、そしてお祭りを楽しむ心意気が、高く熱い日射しのなかで見事な芸術として昇華し、見るものの心を打つのです。

■カテゴリ詳細
イベント,和紙,無形民俗,祭・歳時記,神社,指定文化財,四季・夏,撮影ポイント
■関連情報
“山あげ祭り”で検索してみてください!
(文責:松田)
期日:7月1日-24日

住所:栃木県那須烏山市中央1丁目16−1

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